令和5年1月18日 (水) 場所:いばらき中央福祉専門学校
主催:水戸市医師会 共催:水戸市高齢者支援センター
今回は体験型の研修で、特殊なゴーグルを装着することで映像中の登場人物として疑似体験できるというもの。映像は二つあり、一つは90歳ガン末期の高齢者が救命医療の現場で心肺蘇生を受けている場面のもの、もう一つはある特別養護老人ホームで暮らす103歳の女性の最後の300日を記録した施設での看取りのドキュメンタリー。
最初の救命医療では、90歳のガン末期の方が自宅急変し、病院へ搬送され救命措置を受けます。そこで心臓マッサージが行われますが、肋骨が折れるほどの力が必要で、実際に折れる音が聞こえてきます。それでも意識が戻らず、駆けつけた家族は医師から延命するかそれとも…判断を迫られます。
もう一つの『施設での看取り』では、最後を生き切る103歳の女性と、そこに寄り添う家族、そして最後まで伴奏する職員たちの姿が描かれていました。研修終了後のアンケートには、「これからの時間をどのように進んでゆくのか、周りの友人たちや家族とも意見交換したい」、「母の姿と重なった。どこで最期を迎えるか…家族が一番と思う方もいるかも知れないが、しゃんと生きてきた母は尊厳を持ち続けるためにも施設での暮らしはかえって良かったと思っている。そして、今日、再認識できた」。また、福祉の専門職の方からは「自分自身の最後についても、介護職として入居者の方についてもどのようにしていったら良いのか考えさせられた」、「自分が本人だったら…自分が家族だったら…専門職として…考えさせられた」などの想いや感想が書かれていました。
日本財団「人生最期の迎え方に関する全国調査結果(2021)によると、人生の最期を迎えたい場所「自宅」58.8%、避けたい場所「子の家」42.1%、「介護施設」34.4%だったとあります。最期の迎え方に正解はないと思います。だからこそ誰もが迎える最後の時について、そしてこれからのことを話すとき、延命治療や療養場所を話し合うだけではなく、自分が最後まで大切にしたいと思う事も家族や友人と話し合う・伝え合ってほしいと思います。ご参加くださったみなさん、ありがとうございました。